12月という真冬にエアコンの話をするのは少し季節外れかもしれませんが、今回はエアコンの話をさせていただきます。
1.カーエアコン、冷えますか?
ネットでカングーの情報を見ていると、ちらほらと「エアコンが効かない」「冷えがイマイチ」という情報を見かけます。
私の車はカングー2の末期のモデルですが、新車で購入してからエアコンは問題なく効いており特に不満はありませんでした。そのため、カングー2でエアコンが冷えないというのが信じられないのですが、やはり「個体差」というものなのでしょうか。
私は静岡県に住んでおり、真夏の昼間で気温が高いときには外気温が35度を越えますが、問題なく冷えました。でも内気循環や温度は低めにしていましたけど。私自身が暑がりなのもあります。
2.スナップオン カーエアコンサービスステーション施工
そんなに不満があったわけではありませんが、さらなる冷えを目指してスナップオンの「カーエアコンサービスステーション」でエアコンガスのクリーニングをしてもらいました。以後はカーエアコンサービスステーションをエアコンマシンと呼んだりします。名前が長いので(笑)
施工していただくショップはスナップオンのホームページより探しました。こちらより検索できます。ちなみにスナップオンのホームページへ掲載するかどうかはエアコンマシンを購入したショップが決めるそうで、マシンを所有していても掲載していないショップのあるようです。

施工後は、もともと効いていたエアコンがさらに冷えるようになり、車内を冷やすまでの時間が短くなったり設定温度を上げたり、燃費が良くなるなどあきらかな違いを体感することができました。
ちなみに私のカングーは2020年10月登録ですが、施工してもらったのは2022年5月と2024年6月です。
施工中の写真は撮っておらず、以下のレシートのようなものしかありませんでした。ちなみに他にも真空引きが何分でガスの充填が何gといったものもありますが施工した日にちが分かればよかったので今回は回収した時のだけを載せています。
2回ともガス充填の際に添加剤も入れています。メーカーは忘れてしまいましたが、ガスだけではなくオイルも入っているタイプの添加剤です。

納車してから約1年半ぐらいで初めて施工してもらい、次は約2年後に施工してもらってます。再施工を約2年後にしましたが特に問題ありませんでしたし、そこまでやる必要はないんじゃないかとのことでしたので、エアコンに特に異常がなければ次回は3年後か4年後に施工してもらう予定です。
3.低圧バルブ1つしかない特殊車両カングー
国産車輸入車問わず、基本的に低圧バルブと高圧バルブの2つがあることが多いのですが、私のカングーは低圧バルブしかありません。(カングーでも年式やエンジンなどにより違うかもしれません。)
さらに低圧バルブのチャックのサイズが、国産車の高圧バルブのサイズという変態ぶり。要するに低圧バルブなのにチャックのサイズ大きいんですよね。(通常は低圧バルブが小さくて高圧バルブが大きいはずです。)

低圧バルブからしかガスの回収などができないため、ガス回収、真空引き、ガス充填などに倍ぐらい時間がかかると思ったほうがいいと思います。ちなみに私のカングーで施工してもらったところ、施工時間は1時間半~2時間ぐらいだったような気がします。
施工時間ははっきりと覚えていないため参考程度にしていただけたらと思います。真空引きの時間を何分にするかでも結構変わりますので。
私が作業をお願いしたショップでは低圧バルブのみという車両は初めてだったらしく、作業の予約をしてから当日までの間にスナップオンの方に連絡してどのように施工したらいいかを聞いてくださっていたようです。
説明も作業も丁寧でしたしホント感謝しかありません。ありがとうございました。
余談ですがカングーに使用されているバルブコア(ムシ)は形状が特殊で普通の整備工場では基本的に在庫は持っていないと思ったほうがいいです。
さらに、ディーラーなどでバルブコアを購入しようとすると、低圧用のバルブコアのみでは購入できず高圧のバルブコアやキャップとセットになります。お値段はビックリ価格。私が購入した際は約6000円でした。(2022年に購入、低圧のバルブコアは2個入っています)
私のカングーは高圧のバルブコアやキャップはいらないのにセットでしか購入できないため、高くても購入するしかないんですよねぇ。これはルノーの悪いところだと思います。
4.エアコン配管洗浄(オイルフラッシング)について
オイルフラッシングでエアコンの効きが改善!
私がカングーで施工をお願いする少し前に、家族の車でフラッシングをお願いしていました。
車両はダイハツ、L175Sのムーブカスタム後期型です。
数年前からエアコンの効きが悪いという話は聞いていましたし、実際に乗ってみると確かに効きが非常に悪い・・・。温度を最低にして内気循環にしても冷えない。全く冷えていないわけではないんですけどね。真夏の昼間だとギリギリ乗れるぐらいのレベルです。
エアコンに関係する部品を一式交換すればよくなるのは分かっていますが、10万とか20万とかはキツイと。
そこでネットで色々と調べていると、どうやらダイハツ車ではエアコンが効かなくなるのはよくあるそうですね。高圧のバルブのあたりかどっかにフィルターみたいなものがあってそこが詰まるとか。
詰まっているのであれば洗浄できれば効くようになるんじゃないかなぁって思いまして、ダメもとでフラッシングをお願いしてみることに。
ちなみに、こちらのムーブのガスクリーニングは別のショップで施工してもらいましたがほぼ変化なしでした。
お店の人からは、「ガスクリーニングに比べてお金がかかっちゃうし、やったとしても変わらないかもしれませんよ。」と説明されましたが、私自身がフラッシングに興味がありましたので「それでも構わないのでお願いします。」と、言って作業開始。
あっという間に下の写真の状態に。フラッシングの中でも「バックリターン洗浄」をやってもらいました。数年前のことなのでどれぐらいの時間がかかったかは覚えていませんが、トータルで2~3時間はかかったと思います。

施工前の吹き出し口の温度は15度ぐらいだったと思いますが、施工後は10度以下になり、7~9度ぐらいになったと思います。メチャメチャ効くようになりました。
作業料金に関しては、お店が独自に金額を決めていると思うので詳細は控えますが、5万円までは全然いってません。この施工料金を高いとみるか低いとみるかは人それぞれだと思いますが、エアコン関係を一式新品に交換しても数年後にはまた効かなくなるのは確定していると思うので、私の個人的な意見としては、オイルフラッシングは大いに施工する価値があるものだと思っています。
ただ注意点もいくつかありまして、以下4つの注意点があります。
- エアコンのシステムが正常に動作していること。
- 施工してもらうショップがそれなりの知識がないとそもそも施工できない。
- エアコンマシンを持っていたとしてもフラッシングをやっていない(できない)ショップが多い気がする。
- オイルフラッシングで100%改善するとは断言できない。
以下詳細の説明を。
❶エアコンのシステムが正常に動作していること。
これは字の通りで、コンプレッサーが故障していたりどこかからエアコンガスが漏れていたり、エアコンの操作パネルが壊れていたりしていれば当然ですがオイルフラッシングをしても意味がありません。
家族のムーブは、フラッシング前に各部の点検をしてもらって異常がなく「なんでエアコンの効きが悪いんだろう?」といった状態でした。まずは異常や故障がないか調べる必要があります。
❷施工してもらうショップがそれなりの知識がないとそもそも施工できない。❸エアコンマシンを持っていたとしてもフラッシングをやっていない(できない)ショップが多い気がする
❷と❸は説明が重なるので一緒に説明させていただきます。スナップオンのカーエアコンサービスステーションを持っているショップでも考え方は様々で、ただのエアコンガスを充填する機械として使用しているショップと、オイルフラッシングを主な目的として購入しているショップではその時点で大きな差があります。
さらに、オイルフラッシングをやるためには本体とは別にオプションで「オイルフラッシングキット」というものを購入する必要があるようなので、そもそもキットを所有していなくてフラッシングをできないショップのほうが多いような気がします。
ちなみに、わたしがフラッシングを施工してもらうために探して、見つけたショップは3店舗目です。
1店舗目はガスクリーニングのみ、2店舗目は問い合わせをしても返事がありませんでした。3店舗目でようやくフラッシングをやっているショップを発見しお願いしたところ、「まずはガス圧や各部の点検をさせてください」と返事をいただきました。
❹オイルフラッシングで100%改善するとは断言できない。
これが難しいところなのですが、オイルフラッシングをやって100%冷えるようになるとは言えないんですよね。施工前よりは冷えるようになると思いますが、思っていたよりも冷えないとか、キンキンに冷えることを想像していたけどそうでもなかった、のようなこともあるようです。
その場合は別の所に原因があるのでそちらを探す必要が出てきます。地道にひとつずつ怪しいところをつぶしていくような感じですね。
5.カーエアコンサービスステーションは車のエアコンガスを100%回収できている!?
これからお話しすることはショップの方とお話ししていた時の内容になります。とても興味深い話を聞くことができたので紹介させていただきます。ただ、私の考え方やショップの方の考え方が含まれておりますので参考程度に読んでいただけたらと思います。
エアコンマシンを車両につなぎ、まずはガスを回収しますよね?
見出し2の「スナップオン カーエアコンサービスステーション施工」でも写真をアップしましたが、回収できたガスの量が記載されています。1回目の施工時が300gで2回目が400gですね。

この回収できている量ですが、車両のエアコンガスを100%回収できていないようです。
その理由として、機械でガスを回収後その車両をそのまま数時間~数日放置していたそうです。後日にもう1度回収してみたところ、数十グラムのガスが回収できたそうで、1台だけではなく数台でこの現象を確認しているようです。回収したにもかかわらず、後日追加で回収できるということは1回の回収で100%回収はできておらず配管内にエアコンガスが残っていたことが分かります。
ではどのぐらいのガスを1回で回収できるのかというと、1回でのガスの回収量は8割ぐらいが多いそうです。(車種によってはほぼ回収できたりもっと少ないこともあるようです)
私のカングーの場合で見てみましょう。以下の画像はカングーのエアコンガスの規定量です。

中央値550gの8割だと440gになります。440gグラム回収できるとほぼ規定量のエアコンガスが充填されていると言えるそうです。
カングーの1回目のエアコンガス回収量は300g、2回目は400g。
440gが規定量と考えると、1回目は結構少ないのですが、2回目は合格ラインですかね。追記としてショップの方が言っていましたが、私のカングーの場合は低圧のみで回収しているのでさらに回収できる量は少なくなるのでは?と言っていました。
そう考えると1回目の回収量は、少ないことに変わりはありませんが、とても少ないというわけでもないように思います。
ちなみにエアコンガスは極わずかですが、自然に減っていきます。自転車や自動車のタイヤの空気と一緒ですね。
いや~、非常に面白い話でした。「後日再び回収したら追加で回収できた」と聞いたときは納得せざるを得ませんからね。
100%回収できない理由は分からないみたいですが、エアコンガスの配管の形状によって回収しにくい場所があるのではないか?と言っていましたね。何か名称を付けるとすると、「ガス溜まり」みたいな感じですかねぇ。そのガス溜まりの部分のガスが数時間~数日で配管内全体にいきわたるので再び回収した際に少し回収ができる、と。
これならイメージしやすいですね。
他にも原因や理由があると思いますので考え方の一つとして参考にしてもらえたらと思います。
6.結果 カーエアコンサービスステーションはスゴイ
スナップオンの「カーエアコンサービスステーション」は素晴らしい機械ですね。今後の私の愛車には必ず施工してもらうと思います。
新車とか比較的年式の新しい車だったらエアコンガスクリーニングでいいですし、古い車なら、問題なくエアコンが効いていて冷えていてもオイルフラッシングはお願いしてもいいかなと思っています。
7.追記:真夏の炎天下での吹き出し口の温度は??
今年も本格的な夏がやってきました。私の地域は今の所35℃を越えたのは1日か2日ぐらいしかないものの、ほぼ毎日が30℃を越えているので十分暑い日が続いております。
そんな時ふと、「カングーの吹き出し口の温度を測ってみよう!!」と思い、実際に測定したので同じカングー2のオーナーさんの参考になればと思います。もちろん他の車種でも何かの参考になればいいのですが。
まずは撮影日の外気温ですが、ネットで確認したところ、「31℃」でした。カングーの車両に装備されている外気温計だと以下のように。

40℃(笑)
まぁアスファルトの照り返しなどで車両の外気温計は高くなりがちですからね。42℃とか45℃だった時もありましたし。そのため車両の外気温計は参考程度にしたほうがよさそうです。
ちなみに測定した場所は、アスファルトに舗装されており全く日影がない100%太陽の下です。測定する環境としては厳しい条件ですね。
エンジン始動後は、私が普段設定している条件にしてアイドリングのまま測定開始。温度は20℃、「AUTO」にして内気循環です。真夏の昼間は大体この条件が多いですね。夜だと内気循環にする必要がなくなり、日によっては温度を21~23℃ぐらいにしています。
約20分で下の画像の温度まで下がりました。「8.8℃」ですね。

ちなみに、ネットで温度の測定方法を見ていると、温度は最低、風量は最大、内気循環にしていることがほとんどです。
しかし、私はあえて普段の使用状況にして測定してみました。通常の使用環境のほうが参考になるかなぁと思ったので。一つ伝えておきたいのが、風量は強くするほど吹き出し口の温度は上がります。逆に風量を「1」など弱くするほど吹き出し口の温度は下がりますのでその点は頭に入れておいてください。
ちなみにカングーの風量調整は1~8まで可能ですが、測定時の風量は、ブロアファンの音から予想すると「6前後」ではないかと思われます。
アイドリング時で吹き出し口温度が10℃以下なら十分冷えていると言えるようなので「8.8℃」なら合格ですね。
ただ、エンジンをかけてから10分ぐらい?は冷えがイマイチなような気がします。おそらくラジエターファンが回るまでかなと予想していますが。吹き出し口の温度でいうと13~15度ぐらいだったと思います。しかし、15分、20分と経つにつれて上の画像の数字までグングン下がっていきました。
さらにもう1点おまけとして、走行中はどれぐらいまで吹き出し口の温度が下がるのか?と吹き出し口に温度計を差し込んだまま走行してみました。
約10分走行し、自宅駐車場に車を止めた後にすぐ撮影したのが下の画像です。

「3.1℃」になっていますが、停車するとどんどん温度が上がってしまうんですよね。撮影できたのは3.1℃でしたが、走行中に私が目視で確認できた最低温度は「1.7℃」でした。かなりビックリしました。そんなに下がるんですね(汗)信号などで停止せず走り続けているともっと下がりそうです。
以上のように私のカングーのエアコンは真夏の昼間でも特に不満なく、というか満足できるぐらいエアコンが効いております。