つい最近LRボタンの不調でジョイコンを修理しましたが、またまた不調なジョイコンを預かりました。前回と同じで知り合いのお子さんが使用しているものになります。

パッと見でわかる不具合個所は、左ジョイコンのスティックがラバーキャップ無しで付け根のあたりも破損あり、右ジョイコンは外装が割れておりロックボタン無し。

さぁ中はどんな状態なんでしょう。楽しみのような怖いような・・・。

細かい分解方法は以下の記事で説明しています。

1.現状確認

預かったジョイコンです。

まずは本体に取り付けて動作確認をしていきましょう。1番心配なLRボタンのチェック。

下の画像はLRボタンを交互に押しているのですが、たまにLボタンが反応しない時がアリ。反対にLボタンが2回連続で押されてしまう時もありました。おそらく前回と同じで汚れが原因かな?ポロリではなさそうです。

他のボタンをチェックしましたが、異常なし。スティックも異常なし。左のスティックは見た目だと異常ありますが(汗)よくこれでドリフトせずに使用できてましたね・・・。

ここで何となくスイッチのホーム画面から「コントローラー」を見てみたところ一つの違和感が。

預かったコントローラーは、直前までお子さんがスイッチ本体に取り付けてゲームをプレイしていました。普段からジョイコンは本体に取り付けたままみたいなので右のジョイコンのバッテリー残量が少ないのがおかしいんですよね。何やら嫌な予感がしてきましたよ。とりあえず充電できるのかのチェックもかねてしばらく本体に取り付けて放置。

充電後にSL、SRボタンのチェックをしていないことに気が付いたので取り外してチェックしてみることに。

冒頭でも少し触れましたが、右のジョイコンのロックボタンがありません。左はアリ。取り外しは先の尖ったもので押し込みました。

ロックボタン周辺を見ると、割れてました。割れた時にロックボタンがどこかに脱走したんですね(笑)

さぁチェックを・・・あれ?プレイヤーランプが付いてない?

スイッチの画面を見ていただくと、本体はしっかりと右の赤いジョイコンを認識しているのが分かると思います。もしかして・・・。案の定、右のジョイコンは「SLボタン」「SRボタン」共に無反応です。ボタンを押す感触は正常です。左のジョイコンは動作チェックできて正常でした。

ここまでの動作チェックで内部で何が起きているのか大体の予想はできてきました。

2.左ジョイコンの分解修理

それでは左のジョイコンから分解開始~。現時点でスティックの交換とLボタンの清掃は確定で、その他の場所の点検、細部の清掃をするので全バラします。

分解のやり方は過去の記事で詳しく紹介しているので割愛します。

分解

そしていきなりバラバラ(笑)

バラしている途中に、どこかの破片が出てきました。どこが折れたんだろうと細かく探していたら、この場所でした。

スライドレールと合わさる所の突起みたいですが、なくても問題ないでしょう。

バラしながら各部の点検をしていましたが、特に以上ありませんでした。Lボタンを接点復活剤で清掃するのでついでにZLボタンも清掃することにしました。

外したネジや各部品の管理方法、保管方法の紹介

少し話はそれますが、今回のようにバラしていくときは下の画像のように外したネジを元の場所に戻していくと、どこのネジか分からなくなったり他の場所のネジと間違えたりすることがなくなるので便利です。ネジを紛失するリスクもなくなります。すぐに戻すのであれば問題ないかもしれませんけどね。

今回の場合だと、バラして交換する部品を決めて各部品を購入するので、数日間はバラした状態なんですよね。数日後だと忘れてしまって間違える可能性が出てくるのでこうしておくと安心です。外したボタンなどの各部品は小さなパーツケースに入れてます。

元に組み立てて部品の到着を待っていてもいいのですが、元に戻すのが面倒&ツメや各部品の破損などのリスクがあるので私はこのような感じにしています。

各部の清掃

各部の汚れは右側と同じような感じでしたので、右側のときに各部の汚れが分かるように撮っておきます。

各部品をチェックすると、外装はもちろん汚れていましたが、各ボタンのゴムや淵の部分が特に汚れがたまっていました。タオルなどで拭いたりするよりも、部品を水につけて丸洗いしてしまったほうが早そうなので丸洗いすることに。

ちなみに丸洗いは左右の部品を同時に行いますので、作業の様子は右ジョイコンの「各部の清掃」で紹介します。

Lボタンの接点復活!

Lボタンの反応がイマイチなので接点復活剤で清掃します。

写真に撮ってはいませんが、「ZLボタン」「ZRボタン」も同時に接点復活剤を使用しています。使用したら余剰成分はしっかりと拭き取りましょう。

バックルロックの交換

バックルロックが摩耗しておりロックできなくなるのは時間の問題だと思うので、金属のバックルロックへ交換しました。

交換が完了したらリヤパネルへ戻します。ロックボタンを忘れずに。

スティック交換をしつつ組み立て

一通りのやる事が終わったので組み立てていきます。スティックは新品へ交換。

記事内では一瞬ですが、ばらしたりして作業をしている時間よりも部品を待っている時間のほうが長いんですよね(汗)何度もバラして組み立てているので慣れたモンです。サクッと組み立て。

後は動作確認です。動作確認は最後に左右のジョイコン同時に行います。

3.右ジョイコンの分解修理

次はメインの右です。内部はどうなっているんでしょう。分解開始~。

リヤパネルを開けるとそこには・・・

裏のY字ネジを外してパカッと・・・ん??

上の画像の時点ではそれほど力を入れずに開けたのですが、フレキが外れてしまいました。というか上のフレキに違和感が。

先端がない!!本来は2枚目の画像のようになっています。2枚目のものは左ジョイコンの同じ場所の部品です。そりゃあ「SL」「SR」ボタンが反応せずにランプもつかないワケです。まさかフレキが切れているとは思いませんでしたけど。切れた先端部分は行方不明です(笑)

下のフレキを接続しているコネクタを見ましたが、しっかりロックされています。おそらく何かしらの強い力が加わって外れかけていたのでしょう。その状態でリヤパネルを外したら、わずかな力でフレキが取れてしまった、と。

これで冒頭の現状確認での右ジョイコンだけバッテリー残量がおかしかった原因が分かりました。わずかに繋がった状態だったので、充電できたりできなかったりしていたのでしょう。よく今まで使用できていましたね・・・。

リヤパネルを分解して現状確認

何やらダメージの大きそうなリヤパネルを分解して現状の確認をしていきます。サクッと分解。そしてここでもビックリ!

下側の位置決めのステーがバキッと割れてます。さらに上にあるネジがほとんど締まっておらず、少し触れたらポロっと取れました。

下の画像は左側の正常品とその比較です。

こうなってしまうと修理できないので交換ですね。スライドレールとSRSLボタンの基盤を交換します。

分解したら・・・

残りの場所を点検しながら全バラします。・・・バラしました。

Rボタン以外は異常なしですね。Rボタンは見た目は正常ですが、触るとグラつきがあってちょっと雲行きが怪しくなってきました。画像で見る限りでは異常はないんですけどね。「このRボタンは微妙だな~。取れそう・・・。」って思いながらツンツンしてたら・・・

取れちゃいました!!しかもパッドも剥がれています。こうなってしまうと私の技量ではどうにもなりません・・・。ってかこのジョイコンはかなり満身創痍な状態でしたね。直前まで使用できていたのが不思議なぐらいです。首の皮1枚で頑張っていてくれていたのでしょう。

う~ん、どうしようかなぁ。この状態だと他の所を修理してもRボタンが使用できないので意味がなくなってしまいます。

悩みましたが、スライドレールやSLSRボタンの基板交換はやったことがないので、とりあえずRボタン以外は修理して使用できる状態にすることにしました。

各部の清掃

各部品をチェックすると以下のように汚れていました。

おそらくABXYボタンに何か飲み物をこぼしましたね。でも水没はしていなかったので少量だったと思われます。それなりに汚れているので丸洗いします。写真は撮っていませんが、外装も丸洗いしました。ミドルトレーは汚れていないのでそのまま。

洗い終わりました。シール部分は擦っていませんが、濡れてしまったのでしっかりと乾かします。

キレイになると気持ちいいですね。見た目も触った感じもスッキリしました!

Lボタンの接点復活」のところに記載しましたが、ZRボタンも接点復活剤を使用して清掃しています。

なんとなく「モーションIRカメラ」を分解してみた

各部品をキレイにしていた時に、「モーションIRカメラ」も掃除したわけですが、その時に何故か分解してみたくなり内部がどうなっているのか見るためにバラしちゃいました(笑)

分解は簡単で、ツメ3か所で止まっているだけです。

なるほど~。こんな感じになっているんですね。詳しい仕組みや名称は分かりませんが、中央にカメラがあって、右の小さな二つの部品はLEDかな?

今まではこの「モーションIRカメラ」を使用するゲームをやったことがないので、いずれはこのカメラを使用するゲームをやってみたいですね。

割れていたロックボタン周辺の接着

割れていたロックボタン周辺はアロンアルファを少量流し込み接着しておきました。

まぁ負荷がかかればまた同じところが割れてしまうと思いますが。何もしないよりはマシでしょう。

SLSRボタンの基板交換、スライドレール交換

新品部品との比較です。上が新品です。新品のスライドレールにはバックルロックも付属していましたが、プラスチック製でいずれ摩耗してくるので金属へ交換します。

まずは下の画像の赤丸のスライドレールの基板部分のスポンジを移植します。張り付けてあるだけで簡単に剥がせます。次に黄丸のフレキを、元々付いていたフレキを参考にして同じような場所で折り目を付けておきます。強く折り目を付けすぎるとフレキ内の配線が切れてしまう可能性があるので注意!

後はバックルロックを交換しますが、過去に手順を紹介したことがありますし、ネジを1個外してプレートを外すだけの簡単な作業なのでスキップ。

次は下の画像の赤丸部分のLEDの光を透過する部品を移植します。(名称が分かりません・・・)

ばらし方は簡単で、先の尖ったもので全体をバランスよくこじって浮かせていくと外れます。ツメなどで止まってなくて嵌っているだけです。外したらそのまま新品のスライドレールへ移植して、新品の基板まで取り付けたらスライドレール部分の組み立ては完了です。

組み立てて動作チェック

では部品の清掃や交換が終わったので組み立てていきます。まずは各部品をフロントパネル、リヤパネル、ミドルトレーへ取り付けていきます。

そしていきなり完成。

Rボタンが使用できないのが心残りですが、仕方ありませんね。ハンダ付けなどの練習をして、Rボタンの修理もいつかはやってみたいんですよね。

4.動作確認

左右とも完成しました。見た目はほぼ変化なし。

それでは動作確認をしていきましょう。まず、プレイヤーランプは・・・。

バッチリです!しっかりランプが光っていてスイッチ本体も認識しています。続いて各ボタンのチェックです。

Rボタン以外は全く問題なし。Lボタンの反応もよくなりました。交換したスティックも異常なし。しっかりとセンターが出ています。

右のジョイコンは見た目以上に内部にダメージがありましたね。まさかここまでヒドイとは思いませんでした。まぁジョイコン自体が脆い作りになっていますけどね。スイッチ2ではそこら辺の強度がアップしていると嬉しいんですが。